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【2024年最新版】ゴーストタウン化?!東京の一等地・汐留が今ヤバい理由

サラリーマンの聖地と呼ばれる新橋駅を海側に少し歩いたところに汐留という一画がある。住所は東京都港区東新橋。大手広告代理店・電通グループを始め、資生堂、日本テレビ、全日空など国内の錚々たる企業が本社機能を置く国内屈指のビジネス街だ。そんな汐留がいま窮地に立たされている。

それは、ゴーストタウン化しているということである。

厳密にはゴーストタウン化寸前だったと言って良いだろう。新型コロナウィルスに端を発した一連の労働環境改革により、汐留界隈のサラリーマンはリモートワークを中心とした勤務スタイルに変わった。汐留界隈で最も大きな企業と言えば電通グループであるが、同社も新型コロナウィルスにより社員を在宅勤務に切り替えると発表。ご自慢の自社ビルからは人がいなくなった。また他社でも似たような状態が続き、みるみるうちに汐留には人がいなくなってしまったのだ。

しかしコロナ禍と呼ばれる不遇の数年を耐え抜いた人間社会。そろそろ人が戻ってきてもおかしくない。ところが汐留にある企業の多くはリモートワークを主体とした勤務スタイルを変えることなく、たまに会社へ行くというのが当たり前になってしまった。その結果として汐留は以前の輝きを失いつつあるというのだ。

今回はなぜ汐留がゴーストタウン化しつつあるのか?その理由を解説していく。新型コロナウィルスはトリガーの一つではあったが、それ以外にも多くの要因がある。

汐留がゴーストタウン化した理由

冒頭で新型コロナウィルスによる社員のリモートワークがトリガーの一つであることは解説済みであるが、この点についてもう少し詳細を述べる。汐留には電通・資生堂・全日空など多くの大手企業が本社機能を置いている。またパナソニックも東京の拠点として汐留にビルを保有している。これだけの大企業が拠点を置いているとは言え、リモートで全て完結してしまう状況にあるのが汐留の実態なのだ。

必ず出社するという理由がない

家でパソコンを起動させれば簡単に職場へアクセスできる。

家で作業が出来れば無駄な移動時間を削減することもでき、会議室を移動しながら次々と会議に出る必要もなくなる。

とあるデータでは日本全体のリモートワーク普及率は25%にとどまっており、アメリカの50%に比べて大幅に導入率が低い。とはいえ汐留界隈のサラリーマンの多くは25%の中に入る。工場のようにその場にいなければ生産ができないビジネススタイルではないということである。

2021年9月、汐留に本社を構える大手広告代理店の電通は本社ビルの売却を決めた。これもリモートワークの促進によるところが大きい。また2021年12月には大手物流業の日本通運も汐留の自社ビルを長野県北佐久郡に本社を持つミネベアミツミに対して売却した。日通の場合はコロナ禍が理由というよりは本社機能を集約したいという意向が強いが、結果的に汐留のゴーストタウン化に拍車をかけた。

高いオフィス賃料

汐留がゴーストタウン化している要因2つ目は高いオフィスの賃料である。汐留の住所は東京都港区であり、港区は東京都内で渋谷区に次ぐ賃料の高さを誇る。港区では1坪あたり2万2千円になる。自社ビルを保有しているならまだしも、賃貸オフィスで払い続けるに値するかどうかは微妙なところだろう。

娯楽施設の少なさ

私も汐留界隈で働いた経験を持つため、ここからは私が思う汐留ゴーストタウン化の要因を解説していく。その一つが娯楽施設の少なさである。汐留は銀座にもほど近く、新橋駅を挟んだ反対側には飲み屋や遊技店などがひしめく歓楽街エリアになる。しかし汐留単体で見ると実に質素である。そもそもビジネス街なので仕方ないところはあるが、大きな書店一つないのだ。これが丸の内や渋谷であれば徒歩圏内に大きな書店があり、会社の帰りにサクッと寄って行けるスーパーや雑貨店などもある。ただただ家と会社を往復するだけの味気ない街、それが汐留である。

どこへ行くにも「歩く」

汐留界隈にお勤めの方なら誰しもが思うこと。それは「歩く」ということだ。とにかく歩く。汐留の範囲に収まるエリアにはJR・浅草線・銀座線の新橋駅、都営大江戸線・ゆりかもめの汐留駅、少し歩いて東銀座駅や築地市場駅が最寄りになる。大江戸線の汐留駅は割と汐留の中心街に近いが、それ以外は比較的どこの駅からでも歩く。そして先述した通り、娯楽施設や飲みに行くのにも結構な距離を歩くことになる。しかも汐留周辺には車線数の多い道路が多数あり、場合によっては歩道橋を渡る必要もある。これが案外面倒くさいのだ。

汐留のいいところは?

ここまで汐留のゴーストタウン化についてファクトに基づく考察と私見を交えてお伝えしてきたが、逆に汐留の魅力とは何なのか?というのも考えたい。

エリートサラリーマンぶることが可能

私は田舎出身で大学も都内ではなかったため、汐留界隈のタワービル群で働くことは一つの夢であった。汐留界隈には日本テレビタワー、汐留シティセンター、電通本社ビル、東京汐留ビルなどの高層ビルが多くひしめく。まさに先進国のウォーターフロントエリアにある一大ビジネス街といった感じである。そこに働く一員としての感覚は気持ちの良いものであった。自分がエリートサラリーマンであると勘違いしそうにもなったものである。

出費が少なくなる

先述したようにどこへ行くにも歩く必要があるため無駄な出費が減る。昼時になれば周辺の飲食店は胸元に社員証を垂らした労働者たちが我先にと入っていくため、コンビニ弁当などで済ませる。周辺の飲食店も土日に稼ぐことが難しいため、平日の昼時は書き入れ時だ。2千円までは躊躇なくランチに使える人々が多いこの街の飲食店は軒並み混雑する。夜もわざわざ歩道橋を跨いで反対側のSL口まで行ってラーメン啜るよりは家帰って食ったほうが安上がりだ、と考えるようになるのでお財布に優しい。

汐留はゴーストタウン化するのか?

それでは最後に本記事の核心でもある汐留の今後について解説する。東京都区内では今でも積極的な都市開発が続いている。浜松町の海側出口には野村不動産が主体となって開発が進んでおり、渋谷周辺も再開発が進んでいる。東京駅周辺でも三菱系が次々にビルを建てており、虎ノ門周辺には森ビルが主体となったヒルズタワーが出来上がっている。つまり山手線・山手線の内側を中心にまちづくりが活発化していることになる。汐留も新橋駅という一大ターミナル駅が最寄りになるが、周囲が次々と開発され、新しいビルが出来上がると企業は移っていく。少しでも新しいビルの方が高性能だったり、社員の士気向上につながるからである。

ANAグループなどが入居する汐留シティセンターと共同通信の本社などが入る汐留メディアタワー、日本テレビタワーは2003年に竣工している。すでに竣工してから20年以上が経過していることになる。周辺のビルも同様のタイミングで竣工されているため、経年劣化はしていくものだ。

そういった背景を踏まえると汐留の今後はかなり厳しい状況になると予想される。最寄駅の新橋駅はJRだけでも東海道線、横須賀線、山手線、京浜東北線が通り、埼玉・神奈川・千葉といった各衛星都市にダイレクトで結んでくれるため非常に便利だが、高い賃料を払ってまでも古いオフィスに居たくないという経営者が増えることは想像に難くない。また近年は周辺都市へ本社機能を集約する企業も増えている。その代表例が大手エレクトロニクスメーカーの富士通である。富士通は汐留シティセンター内に本社を置いているが、2024年度内に汐留から全面撤退し、川崎市に移ることを発表した。どこかの大手企業の経営者が「本社は何も生み出さない場所だから質素で良いんだ」というようなことを言っていたが、ものづくりのメーカーも以前のように悠長に構えられなくなっているということなのだろう。

汐留という東京、日本が誇る一大ビジネス街の今後は一体どうなるのか?注目していきたい。

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Shumoty

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