2024年1月に大幅加筆を行いました。
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北海道夕張市。
ここは全国で唯一、財政破綻した街。
夕張メロンでもその名を全国に知られる、
夕張市の現在はどうなっているのか?
今回現地をレポートして見えてきた、
夕張市の現在と未来。
財政破綻という前代未聞の事態から、
立ち上がろうとする街をレポート。
そこから見えた夕張市の希望とは?
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夕張市とは?
夕張市は北海道の道都である札幌市から70kmにある自治体。
周囲を山に囲まれた谷間に位置する街である。
鉄道はJR石勝線の滝ノ上駅、新夕張駅のみで、
市南部に高速道路(夕張インター)が通る。
人口は23年3月末時点で6,697人。
同じく北海道にある歌志内市に次いでワースト2位。
最盛期には11万人を誇った街だが、
とてつもない速度で人口減少が進んでいる。
市内にはかつて10を超える学校があったが、
現在は小・中・高それぞれ1校ずつになり、
小学校は150名、中学校は90名ほどの生徒数。
高齢化率は53.89%で全国トップクラスの高齢化社会だ。
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主な産業はメロン栽培、炭鉱事業。
夕張メロンは全国でも有数の知名度を持つ。
そんな夕張市は2007年に財政破綻した。
なぜ財政破綻したのか?
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なぜ夕張市は財政破綻したのか?
それはヤミ起債が発覚したからである。
ヤミ起債とはなにか?
辞書を参照すると以下の通りとなる。
ヤミ起債(ヤミきさい)とは、地方自治体が長期の償還期限を定めた借り入れ契約を総務大臣(旧自治大臣)や都道府県知事の許可を得ずに締結すること。
http://www.kotoba.ne.jp/word/%E3%83%A4%E3%83%9F%E8%B5%B7%E5%82%B5
夕張は明治初期から炭鉱の町として栄え、
多くの石炭を生み出してきた。
しかし時代と共に石炭の需要は低下、
観光事業に取り組むも、失敗に終わり、
雪だるま式に借金が増えていったのだ。
その結果、不適切な財務処理を実施し、
事実上の財政破綻となっていったのだ。
先述した通り夕張は谷間に街があるため、
平坦地が少なく石炭から脱却できず、
アクセスの悪さも起因し、観光事業は失敗。
街には高齢者だけが残る形となった。
夕張市・現地レポート
ゴーストタウンと言わざるを得ない
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財政破綻した夕張市に足を運んでみた。
道東自動車道夕張ICから車で20分ほど走り、
市役所などが置かれる市街地に到着。
だだっ広い北海道とは言え、
他の街は農耕車や人出はあった。
しかし夕張はほとんど人の姿を見かけない。
街にはすでに使われなくなった建物や家、
学校が手付かずのまま廃墟と化していた。
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市役所のある市街地周辺は一人二人、
街を歩いている高齢者の姿を見かけたが、
少し登っていくとすぐに人の気配はなくなり、
めろん城という名の施設跡が見えた。
食品製造加工施設として活躍しためろん城は、
夕張メロンの加工を行なっていたが、
現在は使われなくなっているようだ。
■ゆうばりめろん城
・住所:夕張市丁未14
・閉館時期:2007年頃?(正確な時期は不明)
市街地にある廃墟の数々
こうした廃墟が数多く夕張には残されている。
正直に言うと圧倒的な怖さを感じ、
同時にここが日本とは思えなかった。
さらに深刻なのは学校などの施設跡である。
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こちらは旧・夕張市立夕張中学校跡地。
現在では使われていない学校。
中学校は複数合併し、財政再建計画として、
同名の中学校を別の場所に移した。
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財政破綻した街は自力で予算編成ができず、
国の管理・承認が必要となっている。
自治体なのに行政サービスや修繕が出来ない。
そのため、学校跡もそのままになっている。
■旧夕張市立夕張中学校
・住所:夕張市本町6-16
・閉校時期:2005年
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旧・夕張市立図書館も近くの複合施設に移設。
その結果、建屋は廃墟化している。
市街地に活気というものは一切なく、
街全体が薄暗い印象を受けた。
■旧夕張市立図書館
・住所:夕張市旭町
・閉館時期:2007年
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こちらは夕張市立第二小学校跡地。
「ファミリースクールふれあい」という看板がある。
かつて小学校だった場所は宿泊施設になったが、
現在では窓も割れており、隣にある体育館はひしゃげていた。
■旧夕張市立第二小学校
・住所:夕張市福住10
・閉校時期:1975年
映画の街・夕張市
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市役所の少し先に本町キネマ街道がある。
映画で街を盛り上げようというコンセプトで生まれ、
ゆうばり国際ファンタスティック映画祭という映画祭もある。
街道沿いには映画の絵看板が貼られており、
独特な雰囲気を感じることができる。
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とは言えゴールデンウィークの中日、
そこそこ人がいでもおかしくないが、
我々しか見学者はいなかった。
映画に興味のある方はぜひ一度訪れてほしい。
風情ある昭和の雰囲気を楽しめる。
■映画祭についてはこちら
閉鎖されたキャンプ場
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夕張市役所から5分ほど登ったところに、
キャンプ場入口と書かれた標識を見つけた。
石炭の歴史村公園ファミリーキャンプ場。
現在は閉鎖されており、今も再開目処はない。
妙に綺麗な標識と橋に立入禁止の看板。
調べてみると2013年頃から閉鎖中のようだ。
橋の先には綺麗に咲き誇る桜が見える。
再開されたらぜひ訪れてみたい。
■石炭の歴史村公園ファミリーキャンプ場
・住所:夕張市福住
・閉鎖時期:2013年頃
ホテルも休業中が続く
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先述した通り、炭鉱から観光へ。
脱却を目指した夕張市だが、
観光の象徴でもあるホテルは休業中が続く。
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市街地には大きなホテルが2つ。
HOTEL SHUPAROと、
ホテルマウントレースイ。
私たちが訪れた時には2つとも休業中だった。
(ホテルマウントレースイは23年12月再開予定)
特にホテルマウントレースイは、
非常に大きな建物で旧・夕張駅前にあり、
施設も老朽化しているようには見えない。
HOTEL SHUPAROは2017年に中国系リゾート会社が、ホテルマウントレースイは香港系の会社が買収している。
勢いを増す中華系の企業が購入。
これもまた現代日本のリアルと言える。
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しかしホテルレースイの裏にある、
マウントレースイスキー場は営業している。
2021年に再開し、多くの客で賑わった。
このスキー場を利用したことがある友人曰く、
非常に滑りごたえのあるスキー場
とのこと。
かなりの大規模スキー場なので、
北海道旅行の際には立ち寄りたいスポット。
■マウントレースイスキー場はこちら
夕張市に希望はあるのか?
複合施設「りすた」が再繁栄の鍵に。
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現地で過ごしてみて分かったことがある。
それは本当にゴーストタウンになるかも、
ということである。
特に荒んでいるエリアは市役所周辺の市街地。
老朽化が進んだ施設は野放しになっており、
かなりの廃墟感がある。
そもそも市役所のある本町地区は、
鉄道・高速道路などから遠く、
衰退の一途を辿ってもおかしくない。
一方で南部の新夕張駅周辺は割と活気がある。
駅前にはコンビニや観光案内所があり、
石勝線の特急列車も停車する。
そこで夕張市のホームページを見てみると、
夕張市コンパクトシティ構想なるものが。
本市は、市民が将来にわたり夕張で安心して幸せに暮らし続けることができるよう、持続可能なコンパクトなまちを目指しているところですが、人口減少の加速化やまちの状況が変化する中、夕張市まちづくりマスタープラン及び夕張市立地適正化計画(以下「マスタープラン等」という。)では、都市構造について、将来的に人口密度が高く見込まれる地区に都市機能や居住を誘導し、住み続けられる環境づくりと地区の特性や特色を活かした、住みたくなるような取り組みを推進することとしています。
https://www.city.yubari.lg.jp/gyoseijoho/shisakukeikaku/kakusyukeikaku/tikukousou.html
本構想では、マスタープラン等において都市機能や居住を誘導する地区と定めた「若菜・清水沢・紅葉山」を「生活利便性の高い拠点」とするため、公共施設の再編による拠点形成の具体化や生活環境に応じた居住の充実に向けた方策を示します。
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本計画における都市機能を担う清水沢地区に2020年に竣工した施設が拠点複合施設りすた。
施設内には多目的ホールや蔵書数2万冊を持つ図書館があり、
夕張市民の新たな拠点になりそうだ。
付近には市内唯一の公立校、
夕張高校やスーパーなどがあり、
谷間の本町地区に比べると、
比較的平坦で過ごしやすい。
今後この「りすた」をきっかけに、
夕張市が再繁栄していくことを期待したい。
■拠点複合施設りすたについてはこちら
「廃墟感」を逆手に取るビジネス戦略
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ネガティブな使われ方が多い廃墟。
出来れば使いたくないはずだが、
廃墟を逆手に取った場所がある。
それが石炭博物館である。
石炭博物館は夕張の基幹事業である、
石炭産業を紹介した博物館で、
1980年に開業・2018年にリニューアルした。
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博物館の内容は非常に興味深く、
石炭の生成方法から石炭と夕張という、
歴史を紐解く展示がなされている。
現在は近くから見ることは出来ないが、
北海道の天然記念物として指定された、
石炭の大露頭を見ることができる。
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そんな石炭博物館の面白い部分。
それが写真にある駐車場への案内板。
駐車場まで250mのところには、
「圧倒的な廃墟感に負けずドンドン進もう!」
自ら廃墟と言い切っている。。
これにはちょっと笑ってしまったが、
正直で、とても好印象を抱いた。
そして肝心の入館者だが、
ゴールデンウィークということもあり、
多くの人で賑わっていた。
博物館の内容や周辺の廃墟感など、
面白く興味深いところなので、
ぜひ一度訪れてほしい。
夕張市 石炭博物館
・住所:北海道夕張市高松 7番地
・入館料:大人720円 子供440円
・駐車場:有り
・営業時間:
午前10時から午後5時(4-9月)
午前10時から午後4時(10-11月)
・URL:夕張市 石炭博物館
タダでは沈まない、夕張市。私たちにできること。
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財政破綻した街。
夕張市は確かに廃墟化しているが、
このまま沈んでいくわけにはいかない。
人がいる限り街は生きていき、
文明は続いていく。
夕張市は新たな戦略で生き残りをかけている。
我々に出来ることは実際にその地を訪れ、
お金を落としていくこと。
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今では色んな形で支援ができるので、
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夕張市へのアクセス方法
鉄道の場合
JR石勝線・特急おおぞらで、
札幌から1時間程度。
※本町地区には鉄道では行けません。
クルマの場合
道東自動車道夕張インターで降車。
夕張市役所のある地区へは車で20分程度。
夕張市の最新ニュース
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