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皆さんは北海道にある「この世の果て」をご存知でしょうか?そもそも北海道にこの世の果てと呼ばれる場所があることすらあまり知られていませんが、実は北海道にこの世の果てがあるんです。
それが、今回ご紹介する野付半島です。
野付半島は北海道標津郡標津町と野付郡別海町にまたがる半島で、全長28kmに及ぶ嘴(くちばし)状の見た目をしています。砂嘴(さし)と呼ばれる砂で出来た半島であり、日本最大の規模を誇ります。
位置関係で言うと根室市に比較的近く、根室市街地からは車で1時間半、網走市からは1時間50分ほどの距離にあります。
野付半島・野付湾は社会の教科書でお馴染みの「ラムサール条約」に登録されており、湿地の保全や水鳥を守るために保護されています。
そんな大自然が大爆発したかのような場所・野付半島ですが、あまり北海道の人気観光スポットランキングとして出てきません。
なぜかといえば、北海道には人気の観光スポットが多すぎるということと、野付半島がアクセスしづらい場所にあるということかと思います。
しかし、個人的には北海道No. 1の観光スポットと断言して言えます。
というわけで今回はラムサール条約に登録された隠れた北海道の観光スポット・野付半島についてご紹介するとともに、なぜ野付半島が「この世の果て」と呼ばれているのか?そして野付半島でしか食べられない“幻の丼”をレポートします。
まもなく本格的な夏!これからのシーズンにご家族で大自然を感じてみませんか?
なぜこの世の果てなのか?
野付半島がなぜ「この世の果て」と呼ばれるのか?それはこの写真を見ていただければ分かると思います。
延々と続く砂地と枯れ木のコントラスト。実際に行くと分かりますが、どこまでもこんな景色が続いています。これが野付半島が「この世の果て」と形容される理由なのです。
それともう一つ。詳細は後述しますが、野付半島には舗装道があります。僕らが訪れたときは干潮でそれほど「この世の果て」感はありませんでしたが、満潮になると...
このように全体が海で覆われます。周囲に海が広がる景色を味わった人は皆口を揃えて「ここは間違いなくこの世の果てだった」と言います。というわけで行くなら満潮時がおすすめ。
野付半島へのアクセス方法
そもそも野付半島はどこにあるのか?別海町のホームページを参照すると「知床半島と根室半島の中間に位置し、オホーツク海に腕を伸ばすようにして広がる」とあります。この言葉が全てです。先述した通り、野付半島は北海道の道東側にあります。根室市の中心地からは1時間半、網走市からは1時間50分、釧路市から2時間ほどの距離感です(北海道本当にデカい)。
野付半島に行くなら最低でも釧路あたりに宿泊しなくてはアクセスできません。ちなみに僕らは網走市に泊まってから行きました。夜、バーで「明日は野付行くんですよ」とマスターに言ったら「ずいぶん遠くまで行くね」と言っていたので、地元の人でもなかなか行くような距離感ではないことはお分かりいただけるかと思います。
ちなみに野付半島は現在、ロシア連邦に実効支配されている北方領土(北方四島)の一つ、国後島までわずか16kmという距離に位置しており、晴れていればご覧のようにiPhoneのカメラでも島の輪郭を捉えることが出来ます。
アザラシの可愛らしいイラストに『返せ!北方領土』という強い口調のワードが書かれた看板もあります。「マジで、返せ。」と僕も思いました。
野付半島は自然の威力が凄い。
人間生きていて自然の威力を感じることはなかなかないと思います。都会に暮らしている人は尚更です。そんな人からすると野付半島で感じられる大自然は凄まじいと感じるはずです。
個人的に最も野付半島で「自然の威力」を感じたのは「半島がいずれなくなる」ということです。というのも野付半島は半島全体が地盤沈下をしており、いずれ消滅すると言われています。先ほどの枯れ木は海水が侵食したことで枯れてしまっています。こうした異様な景色を楽しむことができます。
トドワラはまさにこの世の果て。
それでは野付半島最大の魅力・地盤沈下を目の当たりにできるスポット「トドワラ」に行ってみましょう。
トドワラとは北海道の全土、千島列島、樺太、カムチャツカ半島に自生するトドマツという樹木が海水に侵食され、枯れ果てた景色を見られるスポットです。野付半島に行ったら絶対行くべき場所ですので、ここで予習しておきましょう!
トドワラへ行くには半島の真ん中あたりにある野付半島ネイチャーセンターから行くのが良いでしょう。無料駐車場があるので、こちらに停めてから歩いて行きます。「トドワラ探勝線歩道」という名の遊歩道が整備されており安心して歩いていくことが出来ます。
しばらく歩いていくと「野付半島の主な植生」と題した看板があります。これを見れば野付半島に自生する植物が分かります。いま歩いているトドワラは塩湿地植生という高塩濃度に耐えられるシバナ、アッケシソウなど耳馴染みのない植生物が自生しています。
これがアッケシソウです。主にヨーロッパや北アメリカのような寒冷地域に分布する植物で、北海道では野付半島以外にサロマ湖でも見ることができます。
野付半島ネイチャーセンターから25分ほど歩いて「トドワラ」に到着。決して悪路ではありませんが、いわゆるトレッキングくらいの疲労感があります。ちょうどトイレに行きたい頃にきちんとトイレも完備されていますので、ご安心ください。
この看板を皮切りにトドワラに入ります。トドワラ周辺は天然記念物クラスの環境がそのままに保存されているので、遊歩道がきちんと整備されています。決して落ちてはなりません。
欄干があるところもありますが、ご覧のように欄干がない場所もありますので、行く際は注意が必要です。しかもかなり狭いのに相互通行になっているので、すれ違う場合は道の途中にある退避場所で譲りあっての通行をする必要があります。
遊歩道の突崎に来ました。オホーツク海の雄大な景色が来る人を魅了します。運が良ければトドワラを軽やかに通るキツネや鹿に出会うことができます。この日はキツネがトドワラを通過していました。
改めて、トドワラにあるトドマツの枯れ木に来ました。どこか荒廃した景色が堪能できます。自然に生まれ、自然に飲まれていく。ここでしか出会えない景色は一目見る価値があります。
トドワラ探勝線歩道を楽に行く方法
トドワラ探勝線歩道は往復で徒歩1時間ほど掛かります。アスファルトの上を歩くわけではないので、足腰への不安がある方はトラクターバスに乗っていくことをオススメします。
トラクターバスは朝9時半から16時ごろまで運行されており、大人500円・小学生300円で乗れます。道中は自販機などの水分補給をとれる場所がないので、体力に自信のない方は利用してみてください。
■トラクターバスの詳細はこちら
野付半島でしか出会えないイクラ丼
最後に野付半島でしか出会えない幻の丼をご紹介します。野付半島ネイチャーセンターのなかにある「NOTSUKE」というレストランで味わえる「イクラ丼」です。このイクラ丼が今でも忘れられないくらい美味しかったです。
値段は2,200円と都内で食べるのと変わらないレベルですが、一度食べてみてください。イクラの概念という概念が変わります。プチプチと弾けるイクラの食感と柔らかすぎず硬過ぎない絶妙な炊き加減のお米が最高です。
ちなみに網走市内の居酒屋でもイクラ丼を食べましたが、野付半島のイクラ丼と比べると一粒一粒の大きさが違い、食感も違います。
▼北海道のお中元なら楽天市場!
■レストランNOTSUKEの詳細はこちら
野付半島に行くなら泊まりたいホテル厳選3選
野付半島に行かれるのであれば先述した通り、最低でも釧路市までは行っておいた方が良いでしょう。というわけで根室市、網走市、釧路市でShumotyがオススメするホテルをご紹介します。ご予約の際は楽天トラベルで!
ホテル ねむろ 海陽亭(根室市)
■ホテル ねむろ 海陽亭
・住所:根室市常盤町2-24-24
・駐車場:有
・野付半島まで:1時間26分(車)
・ご予約:こちら
・Point:大浴場完備、飲食街まで徒歩10分、スーパーまで3分
ドーミーイン網走(網走市)
■ドーミーイン網走
・住所:網走市南2条西3-1-1
・駐車場:有
・野付半島まで:1時間50分(車)
・ご予約:こちら
・Point:網走市内唯一のサウナ付き男女別天然温泉
釧路プリンスホテル(釧路市)
■釧路プリンスホテル
・住所:網走市南2条西3-1-1
・駐車場:有
・野付半島まで:2時間1分(車)
・ご予約:こちら
・Point:釧路空港からのアクセスが便利