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【2024年版】現地レポート!青線地帯だった横浜・黄金町周辺は本当に変わったのか?

本記事は2024年1月12日に発生した事件も含め加筆しています。

皆さんは黄金町を知っているだろうか?
神奈川県横浜市中区にある町名であり、
付近を京浜急行電鉄の線路が走っている。
横浜駅まで3駅という近さにあり、
近年はマンションの建設が続く。

しかし、数十年前までこの辺りは、
青線地帯と呼ばれる街だった。

青線とは何か。辞書で調べると以下の通り。

所轄の警察署では、特殊飲食店として売春行為を許容、黙認する区域を地図に赤い線で囲み、これら特殊飲食店街(特飲街)を俗に「赤線(あかせん)」あるいは「赤線地帯」、「赤線区域」と呼んだ。これに対して特殊飲食店の営業許可なしに、一般の飲食店の営業許可のままで、非合法に売春行為をさせていた区域を地図に青い線で囲み、俗に「青線」あるいは「青線地帯」、「青線区域」と呼んだとされている。

Wikipediaより引用

簡単に言うと裏風俗違法風俗ということ。
黄金町には「ちょんの間」と呼ばれる、
間口2mほどの赤い照明の小部屋があった。
部屋の中は布団を敷くだけで一杯で、
夜な夜なに男たちが嬢を物色をしていた。

しかし黄金町の闇はこれだけではない。
なんと違法麻薬の取引も行われていたのだ。
とんでもない街である。

しかし現在は横浜駅までの近さをウリに、
ファミリーマンションの建設も進む。

今回はニッポンの現地レポート第2弾!
ということで横浜の旧・危険地帯である、
黄金町をピックアップしてレポートする。

実際に筆者が暮らした街でもある黄金町
危険が蔓延った街はどのように改革し、
どのような変貌を遂げたのか?
ぜひ移住を検討されている方や、
現在の黄金町を知りたい方はご覧ください。

第1弾は夕張市を紹介しました。

黄金町の場所

先述したように黄金町は横浜市中区にある。
京急線の黄金町駅を起点として、
大岡川沿いに街が形成されている。

大岡川を渡ると横浜市立大学病院や、
横浜市営地下鉄の阪東橋駅がある。
横浜随一の歓楽街・伊勢佐木モールの入口も、
ここ黄金町にある。

位置関係としては横浜駅まで、
京急で3駅、市営地下鉄で5駅。
ベイスターズの本拠地・関内までは、
市営地下鉄で2駅という近さであり、
交通の便は申し分ない

黄金町と言っても地図上の範囲は狭いが、
少なくとも地下鉄阪東橋駅を含むエリアまで、
黄金町と一括りにして良いかと思う。

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黄金町がいかにヤバい街だったか

横浜市と言えば多くの人は、
みなとみらいのビル群を思い浮かべる。
しかしそんなものは横浜の超一部分

横浜駅から電車で5分。世界は一変する。


戦前、問屋街として名を馳せていた黄金町。
しかし次第に飲食店街にその趣を変えていき、
いつの間にか辺りは青線地帯となっていた。

最盛期には「ちょんの間」だけでは足りず、
大岡川にまで風俗街が広がっていった。

風俗だけでなく、違法薬物も横行した。
ヒロポンやヘロインといった薬物が横行し、
この辺りでは密売人同士の縄張り闘争が頻発。
黄金町は最悪の街として全国に名を馳せた。

最も酷かったのは2002年ごろで、
270店舗・1,000人以上の娼婦が稼働した。
2002年ごろは日本人娼婦ではなく、
東南アジアなどの娼婦が多く稼働していた。
この時期は警察ですら近寄りづらく、
まさに「終わった街」の様相を呈していた。

違法風俗街からの決別

そんな違法風俗と違法薬物という、
違法三昧の黄金町が突如変わった。

なぜか。

それは県警による「バイバイ作戦」が行われたから。
神奈川新聞の記事を参照すると、

バイバイ作戦は2005年1月11日、4年後の横浜開港150周年を見据え、「環境浄化」を求める住民協議会の要望を受けて始まった。県警は高架下の中心部に指揮本部を設置し、売春防止法や入管難民法による取り締まりを徹底。摘発を受けても経営者がすり替わって再開するいたちごっこが続いていた風俗店を一掃した。

https://www.kanaloco.jp/news/social/entry-55306.html

最盛期には約270もの違法風俗が立ち並び、
年間5億円ものみかじめ料が入っていた街は、
浄化作戦によってその姿を消した。

黄金町周辺の現在地

黄金町駅周辺

まずは黄金町駅周辺
京急線の高架下に街が拡がる。
古くは青線地帯であったこの地も、
現在ではアートの街に変貌を遂げている。

先述したバイバイ作戦の後、
地元住民会を中心にアートの街として、
ちょんの間を貸してアトリエにするなど、
精力的に環境改善を推し進めてきた。

現在ではこうしたアート以外にも、
狭小を活かしたバーなども盛況だ。
どのお店も個性的でとても面白いので、
興味のある人はぜひ行ってほしい。

■黄金町駅周辺のバーはこちら

ご覧のように黄金町駅周辺には、
違法風俗で使われていた狭小物件が多い。
今では風俗の面影は物件にしかない。


地元住民や警察により黄金町は変わった。
しかし未だに高架下は薄暗く、
1人で歩くには少々怖い印象がある。
今後どのように変わっていくのか注目だ。

伊勢佐木モール周辺

黄金町から市立大病院へ向かう途中、
伊勢佐木モールの入り口がある。
ここからJR関内駅までの1.2kmに渡り、
飲食店やアパレルショップなどが並ぶ。

ビックリするほど外国人が多い
とりわけ中華系が多いように思う。
横浜は中華街もあるため、
元々中華系の外国人も多いが、
それにしても多い。

彼らがマッサージ屋などを経営しており、
通り沿いには客引きも多数。
時間帯によっては注意が必要だ。

とはいえ美味しいお店がたくさんあり、
横浜の下町風情を味わえるところでもある。

黄金町の治安は?

それでは黄金町の治安はどうか?

筆者は黄金町に4年住んだが、
危険な思いをしたことは1度もない。
それほど治安は悪くないのだ。

むしろ黄金町の隣駅・日ノ出町の方が、
歓楽街に近いため危険度が高いと言える。
ただし中区全体で見ると認知犯罪件数は多く、
神奈川県でもトップレベルに犯罪は多い。

令和5年度3月の暫定値として、
神奈川県警が発表している刑法犯認知件数。
黄金町がある中区は総数が全体で2位。
1位の港北区は範囲も広い上、人口も多い。



一方で中区は狭い範囲であるが、
関内・日ノ出町などの歓楽街があるため、
総数が多いのも理解できる。

しかし犯罪の内訳を見てみると。
強盗や殺人といった凶悪事件が5件で、
戸塚区に次いで多い。

さらに風俗犯も5件でトップクラスと、
少なくなったとは言え未だに多い。
他の地域に比べると危険度は高いと言わざるを得ない。

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黄金町の再開発は?

ここまでは黄金町の過去と現在を紹介。
それではここからは未来について。

黄金町周辺は再開発がされるのか?
調べてみると京急電鉄が主体となった、
黄金町ロックカクという名の再開発があった。

日ノ出町駅~黄金町駅間高架下の第6区画に、
新しい施設をオープンするというもの。
暫定地や遊休地の企画・開発を行う、
YADOKARI」と組んで実施している。

YADOKARIは近年、相鉄ともタッグを組み、
遊休地の利活用を行なっているため、
どのような形で黄金町が変貌するか楽しみだ。

ちなみに京急は2020年に日ノ出町駅近くに、
日ノ出町フードホール」をオープンしたが、
当時はコロナ禍ということもあり、
すぐにデリバリー中心の施設に切り替えた。
当初は唐揚専門店や肉バルなどの店舗があり、
いわゆる横丁のようなコンセプトであった。

個人的に京急の都市開発は下手だと思うので、
今度は成功することを祈りたい。

■黄金町ロックカクの詳細はこちら

黄金町の未来はどうなる?

ここまで黄金町の過去から未来を紹介した。
今回現地を訪れて感じたことは、
黄金町は大きくは変われない、ということ。
今後もこの街は今のまま推移していくはずだ。

付近は伊勢佐木町や野毛など繁華街があり、
横浜スタジアムまでは歩いて20分ほど。
横浜駅までも5分ほどで便利なため、
今後もマンションやアパートが林立する、
いわゆるベッドタウンとして在り続ける。

とは言え違法風俗時代と比べると変わったが、
それでも犯罪率は他地区に比べて多い。
移住する方は注意深く周囲の環境を見てほしい。
必ず周囲の環境を見てから決めた方が良い。

黄金町界隈の危険な事件簿

伊勢佐木モールでの殺人事件(23年11月)

2023年11月3日に事件があった。
場所は黄金町からも程近い中区の路上。
タイ料理店の店員と複数の男らが口論になり、
刃物のようなもので男を殺害した。

この事件でタイ国籍の男が逮捕されているが、
場所は黄金町から歩いて5分ほど。

住所的は若葉町であり、周囲は夜になると物騒。
周囲には街灯も少なく女性1人で歩くには危険である。
詳細なニュースはこちらに掲載しておく。

本事件の詳細はこちら

黄金町駅近くの薬局での殺人事件(24年1月)

2024年1月12日(金)午前中。
黄金町駅の真裏にあたる西中町の薬局で、
男性が刃物に刺された状態で死亡している事件が発生。


現段階で捜査中のため、殺人かは不明だが、
警察は事件の可能性を視野に入れているようだ。
付近は学校もあるため早期解決を望みたい。

本事件の詳細はこちら

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Shumoty

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