旅行

【2024年 最新版】旅のおともに持っていきたい、小説3選!

皆さんこんにちは。

年間100回以上の旅と年間100冊の本を読む私ですが、2023年にご紹介した『【2023年 最新版】旅のおともに持っていきたい、小説3選』が思いの外、人気記事になったので、2024年の最新版も記事にしてみました。

今年の芥川賞作品も取り上げていますので、ぜひ旅のおともに持って行ってはいかがでしょうか?

2023年のオススメはこちら

なぜ旅に読書が合うのか?

私は普段、都内の広告代理店に勤めています。一般的に広告代理店といえば「激務」のイメージがあるかと思います。確かに勤務時間のマックス22時ルールが出来たとはいえ、プレゼンが差し迫った時期や撮影・編集などの作業が重なった時はかなり忙しいのは事実です。だからこそ私は移動時間を「読書」に費やすのです。例えば私は通勤にドア to ドアで1時間ほど掛かります。その間にKindle Unlimitedでダウンロードした本を読んでいます。これが意外に集中できます。

そんなことを続けていたら、移動中に読む本が最も自分の頭の中に入っていることに気がついたんです。それからは旅行や出張の際に必ず一冊は本を持っていき、読むようにしています。できれば目的地に合った本をチョイスして、旅の途中まで読み、あとは現地で読み切る。

なぜ旅に読書が合うのか。改めて考えてみると家で読むよりもリアリティがあるから理解度が上がるのではないかと考えています。江ノ島を舞台にした作品を江ノ島で読めば、登場人物たちの空気感や世界を堪能することができます。これが家で読むと、あくまでも自分の経験則からでしか推測できません。現場を知っているかどうかは物語をより深化させるために重要なファクターだと思います。

オススメしたい3冊

では今年2024年にオススメしたい旅のおともに、持っていきたい本を3冊お伝えします。

成瀬は天下を取りにいく(宮島美奈)

1冊目は今年の本屋大賞を受賞したヒット作『成瀬は天下を取りにいく』です。物語のあらすじは以下の通りです。

“2020年、中2の夏休みの始まりに、幼馴染の成瀬がまた変なことを言い出した。
コロナ禍に閉店を控える西武大津店に毎日通い、中継に映るというのだが……。
M-1に挑戦したかと思えば、自身の髪で長期実験に取り組み、市民憲章は暗記して全うする。
今日も全力で我が道を突き進む成瀬あかりから、きっと誰もが目を離せない。
2023年、最注目の新人が贈る傑作青春小説!”

(読書メーターあらすじより抜粋)

本作で作家デビューとなった滋賀県大津市在住の作家・宮島美奈さんの著作です。本作は著者の住む滋賀県大津市を舞台に繰り広げられる青春小説であり、大津市内のいろんなスポットが作中に登場します。

その一つが旧・西武大津店です。同店舗は滋賀県大津市にあった西武大津店を皮切りに話が進んでいきます。主人公の成瀬はコロナ禍で閉店が決まった西武大津店が閉店日を迎えるまでの間、毎日西武大津店を訪れ、閉店のカウントダウンをする地元テレビ局の番組に映り続けると言い出します。一度やると決めたらやる性格の成瀬に翻弄される友人の島崎。私は一度も西武大津店に行ったことはないのですが、その情景がありありと、フレッシュに伝わる文体は引き込まれます。

読むべき場所

本作はシリーズ物となっており、2作目となる『成瀬は信じた道をいく』でも滋賀県内のあらゆる場所を訪れています。そのため読むべき場所は幾つかあるのですが、まずは西武大津店の置かれていた場所にも近い「膳所駅」周辺を訪れてみてはいかがでしょうか?

付近には現在、「Oh!Me 大津テラス」という商業施設があります。もともとは大津パルコとして開業したこの商業施設は、閉店した西武大津店からも近く、聖地巡礼をするにはベストです。しかも主人公たちは膳所駅が最寄りの県立膳所高校出身。Oh!Me 大津テラスから膳所高校も歩いて行ける距離にあります。

お得な情報

2作目の『成瀬は信じた道をいく』で登場する琵琶湖周遊クルーズ船のミシガン。運営元の琵琶湖汽船は京阪電鉄の子会社にあたるため、京阪電鉄とのお得な切符が発売されています。

京阪電車びわ湖1日観光チケット

京阪電車大津線の全線乗り降りし放題に加えて、ミシガンの南湖遊覧ボート乗船料20%引きの優待が受けられます。大人700円、子ども350円というお得さです。京阪電車大津線は途中から路面電車に様子を変える全国でも珍しい路線なので、一度乗ってみると面白いですよ。ぜひお得な切符で成瀬たちが過ごす大津市を旅してみてはいかがでしょうか。

「成瀬シリーズ」ご購入はこちら

成瀬は天下を取りにいく


成瀬は信じた道をいく


汝、星のごとく(凪良ゆう)


続いては第168回直木賞候補作となったヒット作『汝、星のごとく』をご紹介します。物語のあらすじは以下の通りです。

その愛は、あまりにも切ない。
正しさに縛られ、愛に呪われ、それでもわたしたちは生きていく。
本屋大賞受賞作『流浪の月』著者の、心の奥深くに響く最高傑作。
ーーわたしは愛する男のために人生を誤りたい。
風光明媚な瀬戸内の島に育った高校生の暁海(あきみ)と、自由奔放な母の恋愛に振り回され島に転校してきた櫂(かい)。
ともに心に孤独と欠落を抱えた二人は、惹かれ合い、すれ違い、そして成長していく。
生きることの自由さと不自由さを描き続けてきた著者が紡ぐ、ひとつではない愛の物語。
ーーまともな人間なんてものは幻想だ。俺たちは自らを生きるしかない。

(読書メーターあらすじより抜粋)

本作は本屋大賞受賞作『流浪の月』の著者である凪良ゆうさんの著作で、風光明媚な愛媛県今治市の離島に住む主人公の暁海と櫂の2人が成長していく中で自分たちの価値観を見つけていく話です。自分たちの生まれ育った環境のせいで制限を受けながらも、たくましく、力強く生きていくことを決めた2人の若者たちを描くタッチが絶妙。かなり重めの話なはずなのに読む手が止まらないのは、凪良さんの手腕です。

読むべき場所

本作は瀬戸内海に浮かぶ愛媛県今治市の離島で描かれています。次作である『星を編む』でもこの島が描かれています。具体的な場所は明かされていませんが、大三島や伯方の塩でお馴染みの伯方島が濃厚かと思います。この2つの島はしまなみ海道で結ばれており、容易にアクセスすることができます。

個人的にも愛媛県の海は沖縄をも凌ぐほど綺麗だと思っているので、一度は訪れていただきたい場所です。主人公たちが生まれ育ったこの場所を実際に行ってみると、作品をより深く楽しむことができると思いますよ。

お得な情報

尾道・しまなみサイクリングきっぷ
JR西日本ホームページより

このしまなみ海道は自転車の通行が認められており、JR西日本のオススメ切符があります。その名も『尾道・しまなみサイクリングきっぷ』です。尾道駅までの往復新幹線チケットと尾道港〜瀬戸田港までを結ぶフェリー、レンタサイクルがついたお得すぎる切符です。1名からでも申し込みができ、3日前まで購入が可能となっています。レンタサイクルは電動で、大阪・神戸・岡山・広島など大きな都市を起点に購入可能です。

詳しい情報はこちらから。穏やかで静かな瀬戸内海を自転車で周りながら本作を読んでみると主人公たちに思いを馳せることができます。

汝、星のごとく・星を編むご購入はこちら

汝、星のごとく


星を編む


バリ山行(松永K三蔵)


最後は2024年、第171回芥川賞を受賞した『バリ山行』をご紹介します。あらすじは以下の通りです。

古くなった建外装修繕を専門とする新田テック建装に、内装リフォーム会社から転職して2年。会社の付き合いを極力避けてきた波多は同僚に誘われるまま六甲山登山に参加する。その後、社内登山グループは正式な登山部となり、波多も親睦を図る目的の気楽な活動をするようになっていたが、職人気質で職場で変人扱いされ孤立しているベテラン社員妻鹿があえて登山路を外れる難易度の高い登山「バリ山行」をしていることを知ると……。
「山は遊びですよ。遊びで死んだら意味ないじゃないですか! 本物の危機は山じゃないですよ。街ですよ! 生活ですよ。妻鹿さんはそれから逃げてるだけじゃないですか!」(本文より抜粋)
会社も人生も山あり谷あり、バリの達人と危険な道行き。圧倒的生の実感を求め、山と人生を重ねて瞑走する純文山岳小説。

この作品はとにかく読みやすい。芥川賞といえば純文学のイメージがあり、中には極めて読みにくい文体の作品があります。しかしながらこの『バリ山行』は別格です。一度読み始めるとページを捲る手が止まらず、思わず自分も山登りをしているような感覚になります。芥川賞受賞も納得の一冊です。

読むべき場所

本作の舞台は兵庫県神戸市にある六甲山です。バリ山行のバリとはバリエーションルートの略称。通常の登山道ではなく、さまざまな条件を自分で判断し、登山道を決めていくものです。今回の舞台である六甲山でバリ山行をする主人公と会社の同僚である妻鹿さん。六甲山といえば山から見える神戸市内の眺望が有名です。一般にも広く知られた六甲山ですが、バリ山行では険しく危険な場所を歩いて登頂します。

本来であれば六甲山の山頂で読むべし!と言いたいところですが、それは酷なので、オススメは作中に登場する「阪急芦屋川駅」です。JRの芦屋駅は阪急よりも海側に面しており、六甲山を拝むには少々遠いので、作中の雰囲気を少しでも味わいたいなら阪急芦屋川駅が良いです。

お得な情報

有馬・六甲周遊1dayパス
阪急電車ホームページより

阪急もお得な切符を発売しています。『有馬・六甲周遊1dayパス』です。この切符は六甲山や有馬温泉を周遊できる乗車券にプラスして有馬温泉の「金の湯」もしくは「銀の湯」に入湯できるというものです。阪急電車だけでなく、バス、ケーブル、ロープウェイまで乗れますので六甲山を堪能しながら本作を読んでみると面白さも倍増すると思います。

バリ山行ご購入はこちら


最後に

年間100冊以上読む私ですが、今年も面白さぶっ飛び級の作品が多く生まれました。今回の記事には入れ込まなかったものの、面白かった小説は私のXアカウントで公開していますので、ぜひお暇な時に覗いてみてください。

  • この記事を書いた人

Shumoty

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